国際的には2000年度からのPISA調査の実施、国内的には2007年からの全国学力テストの実施を起点とする「学力新時代」における、国内外の学力向上策の特徴とそれらの効果及び課題について、教育社会学的視点からのアプローチを試みた。選択・競争・アカウンタビリティ等をキーワードとする新自由主義的教育改革の流れが主流となるなかで、対象となった8つの国ではいずれも学力格差是正のための施策が積極的にとられていた。他方日本国内では、全国テストの結果のいかんによって、その点における施策の強調点には大きな濃淡があった。