精神障害者家族が同居の統合失調症者本人と世帯を分けて暮らすことを決意した意識変容のプロセスについて、3名のインタビューデータからTEM分析した。分析の結果、発病前に「摩訶不思議な行動に気づく」必須通過点があり、等至点「離れて暮らす」以降、「友人役割や援助者役割からの脱却」を経、「離れることでできる大人の父子関係」のセカンド等至点を抽出した。また、そこには「手伝いたい気持ちを自制する」「手も口も出さないように自制する」というSGが作用していた。