保護者制度の変遷を手がかりに、精神障害者の家族政策の歴史的経緯を明らかにし、制度上の課題を論究した。江戸時代後期には、私宅監置や家族の個別責任化原則が制度化され、明治後期以降は、治安上無償で機能する法の執行者として、また疾病管理から日常生活上のケアラーとして位置づけられた。2013年の法改正で保護者制度は廃止されたものの、「家族等」同意の医療保護入院は存置され、実態は変わっていないことを指摘した。