統合失調症の子どもとの同居解消を選択した3名の母親へのインタビュー調査を実施し、TEMで分析した。分析の結果、「病前の本人に戻す」や「母親が本人をケアすべき」という母親の価値は、「病気と障害を受け入れ」、「母親だけでは支えられない限界の認識」へと変容していた。その過程では、「頼りになる専門家の出会い」を分岐点に、「家族会との出会い」及び「本人も日中活動への参加」という必須通過点が認められた。同居解消後には、「親自身の時間を作れる」というセカンド等至点が生成された。これらのことから、本人及び家族双方の自己実現を促進する実践と制度構築が求められていることが示唆された。