諸外国における強制入院制度の制度とその運営について整理するとともに、わが国の医療保護入院との比較を行った。文献調査の結果、医療保護入院は、専門家(精神保健指定医)ひとりが入院治療必要と判断し、入院治療の決裁権は家族に委ねられており、世界に類似例の見出せない家族に依存した強制入院システムであることを明らかにした。脱家族介助化を志向する実践、運動、研究が求められていることを指摘した。