本研究の目的は,次の3点である。①D.ショーンによる「反省的実践家」理論の学問的枠組みを明らかにする。②音楽科授業における教師の思考モデルを提示する。③音楽科における教師の思考研究の方法論を検討する。本研究は,先行研究や公的文書を詳解することによって進められた。研究の成果として次の3点が確認された。①音楽科授業研究に「行為の中の省察」の視点を導入すること。②音楽科授業における教師の思考としての,状況把握,判断,選択の存在。③再生刺激法によって教師の思考を探ることが現在のところ有効な方法であること。