芸術教科ばなれが叫ばれる今日,N市立S小学校では「音楽科を中心とした表現教育」に学校ぐるみで力を注ぎ,関係機関からも高い評価を得るほどの大きな教育的効果をあげ,さらには教師の力量形成をも促進させている。このことは,音楽科教育の存在意義を再認識させる上で貴重な事例と呼ぶことができる。そこで本研究では,S小学校の取り組みがいかにして定着し成果をあげるに至ったのか,その要因を探ることを目的としている。