奈良県の南部に位置する磯城・葛城は、彫刻史においては二、三の作例を除いては従来やや見過ごされがちな地域であるが、実際には、7世紀後半〜9世紀にいたる極めて重要な作例が多数遺されている。本稿では、それらの仏像について①矢田丘陵と大和郡山市②当麻寺とその周辺③法隆寺と当麻寺④天理市とその周辺の4つのエリアに分けて、従来知られたものに加え、近年の調査による新発見をあわせて記した。 (担当部分)「磯城・葛城の仏像」p104〜123(執筆者)紺野敏文・麻木修平・鬼頭清明・松本彩・鈴木喜博・安藤佳香・浅見龍介・山岸公