他人の恨みから身を守るため、また他人を呪う目的で造られた仏像を「怨霊仏」と名つけ、神護寺薬師如来立像、勝尾寺薬師三尊像の造立背景に怨霊仏造立の事情を探る。あわせて観菩提寺十一面観音立像他数例の特異な凄味をもった仏像が怨霊仏である可能性についても論及した。