「初期神像の問題点」と題し、日本の神像のはじまりについて近年の成果に基ずく研究の新しい方向性を探ったもの。かつて神像=衣冠束像としていた考えに対し、憎形・天部形の神像の存在を提唱した岡直巳説、それを引き継ぎ「神仏習合」をキーワードとして、より具体的な方法で多くの作例を初期神像と位置つける井上正説を紹介し、今後の神像研究の可能性を考えた。