美術史学会全国大会での口頭発表。香川県聖通寺の本尊千手観音立像について、主としてその作風の分析から9世紀後半〜10世紀初頭に活躍した聖宝が関連した主要作例につながる要素を指摘。貞観10年(868)聖宝による開基を伝える聖通寺に伝来した像であることをあわせ考えれば、本像が聖宝の活躍期に、彼の指導下にあった仏師の手によってつくられた可能性が高いとした。