従来、地方的作風として消極的な理解にとどまっていた勝尾寺薬師三尊像の面相・衣文などの特異な表現を神仏習合思想を背景において解釈した。あわせて本三尊像の制作年代を寺伝にいう8世紀後半まで溯りうるとし、霊木思想と融合した日本的な広義の檀像の展開のなかでその位置付けを試みた。