宇治市西笠取清滝宮に併祀される御陵神社から新たに発見された2躯の男神像について、その現状を報告し、制作年代の検討をおこなったもの。2躯の内、古様な像は、その作風を仏像の様式変遷と対比させることで10世紀末から11世紀初頭頃の作と推定。さらに本像を安置する御霊神社創立の契機と考えうる疾病流行が長保年間にあり、ほぼその頃の造立と位置づけた。