初期仏教美術の代表的遺品である中インド・パールフトのストゥーパを囲んでいた欄楯の浮彫り彫刻についてその全容を整理し、その実態の把握をおこなった。特に従来、注目されることの少なかった蓮華をモチーフとした文様に注目し、それらを系統的に整理することで実に多様な蓮華意匠の具体相が明らかとなった。その背後に広義の蓮華化生還を置くことでかたちの成立に思想があることを主張した。