本研究は,保育者のワーク・ライフ・バランスに係る意識とその実際を明らかにし,保育の評価との関係性を検証するものである。本研究から得られる知見は,次の通りである。第一に,性別役割観とワーク・ライフ・バランスの意識には関連がある。第二に,保育者は理想と考える生活とは異なり,仕事中心の生活をおくっている。第三に保育者のワーク・ライフ・バランスと保育の評価には関連性がある。保育の評価の高い保育者は,ワーク・ライフ・バランスの満足度も高い傾向にあり,「積極的なかかわり」を保育に取り入れている。保育者がワーク・ライフ・バランスを取れるようにすることも,保育の質を保障する一助になるとことを明らかにした。