冷蔵庫が生活財として成立していく過程について発表した。製氷の産業化を行った中川嘉兵衛の関連史料から、氷の用途として食品の保存を中川が想定しており、食品貯蔵のための氷箱の製造を試みていたことを指摘した。また明治・大正期の家政書における食品貯蔵の言説を整理し、冷蔵という食品保存方法が明治30年ごろから登場し、その貯蔵範囲が肉から多様な食品へ広がっていく過程についてまとめた。