19世紀後半のアメリカ合衆国で製造されたミシンに着目し、ミシンの機械としての機能<機能性>と、ミシンの外観に加えられた工夫<装飾性>が、どのような意味をもちながら変容したのかを論じた。ミシンは家庭に販売されるために意識的にスタイリングが行われたが、本稿では企業別の技術開発や特許の所有状況に着目することで、ミシンデザインの背景に大企業とそれに対抗する企業間の特許問題があったことを指摘している。