釈尊の応病予薬、四諦などの説法に含まれているカウンセリングマインドを論考した。また、ユング心理学の夢分析などで論じられているコンステレーション(constellation)という概念は、仏教における縁起の考え方と同様な精神世界の捉え方であると考えられる。さらには、阿頼耶識思想とFreud.Sが広めた無意識の心理学、ヨーガの行や精神統一とマインドフルネス(mindfulness)、懺悔の方法と内観療法、そして、ものの真実を知らない、無常なるものを常と誤る無明な者を真理へと導く思想は、非合理的信念(irrational belief)を合理的(適応的な)信念(rational belief)に変容・修正を促す、Albert Ellisが提唱した論理療法とも深く関連していると考えられる。
釈尊(ブッダ)の教えのなかには、人が人と関わる姿勢・人が人を育てる本質が散りばめられていることを論考した。