本稿では子どもとその家族を対象とする社会福祉援助としてのファミリー・ソーシャルワーク理論の可能性と諸課題を検討した。特に「子どもの最善の利益」の保障の具現化に照準をあてたとき、子どもとその家族(個々の成員と家族全体)への介入・関与においては、援助課題の設定と援助計画、親自身の生活課題の回復に向けての援助プログラム、さらに援助者組織の機能をより豊かにするための諸条件づくりが課題となることを指摘した。