H・D・ソローの『ウォールデン』における「より高い法則」の章を、1844年に書かれたエマスンの「自然」における「二重意識」という考えの枠組みにより解釈している。 ソローは野性と理性とがいかなる関係にあるのかをそこで「より高い法則」の章で扱い、「春」の章でその答えとなるような描写をしているのだが、その「春」の章の描写はエマスンの「自然」や「運命」といった作品の中に出てくる「二重意識」と酷似していることを指摘している。