サリンジャーの代表作『ライ麦畑でつかまえて』における主人公の精神的自立のプロセスを詳細に明らかにしている。修士論文で扱った内容をさらに敷衍させ、従来批評家がこの作品をどう解釈してきたのかを踏まえた上で、それらの解釈よりもユング心理学的に解釈するほうが多くのことを説明できることを主張している。