キーワード:文学批評理論、ダーウィニズム、進化論、進化心理学、人間性 本論文は文学批評理論における比較的新しい手法である「進化論批評」について考察している。この立場から見ると、文学作品には普遍的な人間性が描かれており、そこに描かれているものは生物学的な理屈に適っていることになる。しかしより正しく進化論批評を実践するために注意すべきことがある。作品のみに注意を向けるのではなく、作者や、作者とその周辺の環境との相互作用を考慮に入れる必要があるのだ。