キーワード:メタ表象、ライ麦畑でつかまえて、ソースタグ 本論文は、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を「メタ表象」の観点から解釈し、この小説の最大の問題、ホールデンは捕える側なのか捕えられている側なのかという問題に一つの答えを提示している。メタ表象を処理する能力は生得的なものであるが、『ライ麦畑』の主人公ホールデンはその機能に欠陥があるように思われる。それゆえ彼は自分の気持ちと現実のありようを簡単に混同してしまうのである。