R・W・エマスンの「神学部講演」を、西洋における宗教の弱体化という観点から論じている。宗教の弱体化によって神が抑圧され、その結果、人間の魂が抑圧されることとなったという流れの中で「神学部講演」を捉え直そうというものである。神の問題と人間の心の問題は決して別個のものではない。「神学部講演」におけるエマスンの主張はそのことを明解に示しているのである。