エマスンの「自己信頼」を通して、個と集団との関係について論じている。まず「自己信頼」の内容を吟味し、エマスンの個と集団に関する考えを明らかにし、その考えの基盤となっている宗教的な思想へも考察を深めている。そして最後に、現代におけるエマスンの自己信頼が持つ意義について論じている。 現代人の人の心の弱さや空虚感は自己信頼の態度の欠如と結びついていると同時に、個が集団に埋没してしまっていることとも深く関係しているのである。