エマスンのエッセイ「運命」について悪の問題に注目して論じている。比較的前期のエマスンは悪の問題について楽観主義的な傾向が強く、「神学部講演」の中では悪など善の欠如に過ぎないと軽視している。しかし比較的後期の作品、例えば「運命」には、彼の悪に対する考えには以前と大きな変化が認められる。この論文ではその変化の原因を伝記的事実に求めている。