キーワード:テディ、シーモア、マザー・コンプレックス、作品の意図、サブ・テクスト J.D.サリンジャーの短編小説「テディ」に秘められたメッセージとは一体どういうものなのかということを考察している。偏執的なまでにプライバシーを大切にするサリンジャーは、一連のグラス家物語を書くことによって、それまでの自伝的色彩の強い作品を隠蔽しようとしたのではないかというのが本論文の趣旨である。