キーワード:サリンジャー、二元論的対立、伝記、執着 精神と物質、芸術主義と商業主義といった二元論的対立はサリンジャーの多くの作品で主題となっている。本論文は、彼が悩まされ続けたこの二元論的対立を取り上げ、それが彼の人生に実際に起こった出来事とどのようにリンクしているのかを明らかにしている。彼が作家としてデビューし、習作期を通して成功し、作家として衰退していく際に、彼の人生に何が起き、それが彼の作品にどのような影響を与えたのかを明らかにしている。