都市南京を語りうる作家や作品がない、という認識が南京の新聞で示されたことに対して、本当に南京について描かれた作品がなく、南京を語りうる作家がいないのかを、「都市」をキーワードに読み解いていった。報告では都市の概念を伝統的な特色が濃い「城市」と近代的なイメージの強い「都市」に分けた。まずは南京について描かれた作品を概観し、葉兆言と蘇童の描く南京または都市について分析した。さらに南京の文学がないという認識にいたった要因として、上海の存在を挙げ、南京が現在と言う時間軸で描かれず、「歴史」に拘ることになったことを