2002年、地方の映画制作所で制作された低コスト作品の映画『暖春』が異例のヒットを飛ばし、『暖春』現象と称されるに到った。この『暖春』現象を通して、中国における映画市場の現状について概観するとともに、『暖春』の成功の要因を分析した。一つ目としては、『暖春』現象を生んだ要因として山西という地域的な要素が絡んでおり、農村の理想と現実を示した作品がとくに山西では受け入れられたことを指摘した。また同時期に公開された映画『英雄』と比較して行くことで、娯楽大作ではない「泣ける」人情ドラマへの需要ならびに新たな観客層の