山城国葛野郡班田図は伝存する数少ない古代田図の一つとして注目され,数多くの論考が存在する.しかし,その多くは記載された文字情報を分析したもので、古地図としての研究はほとんど進んでいない.そこで、当該田図の加筆内容に着目し、基図とのずれを検討した.その結果,加筆者は加筆情報の記載位置を書き誤ったことが明らかになった.