本論文の目的は、精神障害者をとりまく状況を「制度上(体制)の変化」と「援助面での変化」の2点から概観し、現在求められる地域生活支援をどう理念的に描くかという問いに対する共通認識を得ることにある。1990年代後半の支援・援助システムは、生活支援・まちづくり・自治体施策の関連が確認され、日本のような実践先行型の場合、地域生活支援を進めるにあたり政策決定に対する自治体の戦略として機能しえるかがポイント。