日本での地域福祉概念の特殊性について、既存の理論研究・政策動向の整理を踏まえて、地域住民の主体性、地方公共団体の自治能力、地域社会における共同の可能性に関わる理論的・実証的検討の必要性を確認した。その上で、地域福祉の一つの焦点として、高齢者の生活支援問題について、東北地方の過疎地域を事例として検討し、異質性をもつ他者としての性格を踏まえた上で、市域住民の主体性を確保していくことの必要性を示した。