高齢者虐待防止法には5つの定義があり、本書では「高齢者の経済的虐待」について論じる。 全体を通じて、高齢者の資産、財産についてはいまだ成年後見制度を 中心とした活動のみに頼っていることと、この状況が続くならば制度を利用しない高齢者も数多く存在すること、を一貫して指摘しておかなければならない。その意味で、経済的虐待から身を守るために、予防的な活動が今の日本に必要であることを本書では強く読者に訴えたい内容となっている。