本論では高齢者への経済的虐待に関する問題を中心に取り上げている。特に、先行研究が行われているアメリカおよびカナダの取り組を中心に、経済的虐待に焦点を当て論考を進めている。高齢者の金銭にまつわる他者からの侵害を未然に防ぐことは虐待という行為そのものを予防する可能性を秘めている。その意味で、高齢者や障害者の財産保護の実情を分析し、その課題と展望を探ることを目的としている。