『黒谷上人語燈録』の構成は、『漢語燈録』十巻と、『和語燈録』五巻、拾遺『語燈録』上中下三巻の、全十八巻である。拾遺編は上巻が漢語、中下の二巻分が和語にあたり、よって、『漢語燈録』としては、拾遺編を合わせて十一巻、『和語燈録』としては拾遺編を合わせて七巻、ということになる。今日元亨版『和語燈録』は存在するが、未だに、元亨版『漢語燈録』なるものは発見されず、また、後々の写本の形態を見ても、『和語燈録』、『漢語燈録』それぞれの体をなすものの、『黒谷上人語燈録』全十八巻という体裁での写本が見られないことは何を意味