本書は日本人の通過儀礼について、日本全国の事例を紹介しながら解説した論集である。特色としては、個々の儀礼面のみならず、儀礼における人間関係の構造を重視し、人と人との関りの原点を抽出することに努めた点である。さらに過去の民俗事象だけでなく、現代における儀礼のあり方や家族、親族などの人間関係の構造をも取りあげている。八木は全体の6割を執筆している。