改葬習俗の実態と民俗的変遷について、伊豆八丈島と奄美沖永良部島の事例を比較検討しながら、両島の地域的特質とそれぞれの改葬習俗の本来的意味について詳細な分析を試みる。さらに改葬習俗を従来のように墓制研究との関連において捉える事に対する問題点を指摘し、祖霊祭祀の構造との関連において分析せんとする独自の見解を提示する。また葬制・墓制・祖先祭祀研究における今後の課題についても言及する。