「パーキンソン病の関節可動域の病態と理学療法」について分担執筆
パーキンソン病において、関節可動域の低下は特徴的な症状の一つといえます。症状の進行に伴い、筋強剛による筋緊張の異常、異常姿勢による不良姿勢の慢性化、動作緩慢による運動頻度の減少や運動範囲の狭小化、さらには姿勢保持機能低下による活動制限や転倒恐怖感の増加に伴う身体活動量の低下、非運動症状であるうつ・不安や痛みなどの症状による身体活動量の低下など、これらの症状が多面的に影響し、パーキンソン病は二次的に関節可動域制限が生じやすい状態となります。
関節可動域制限は四肢だけでなく体幹にも影響し、日常生活の質に大きな影響を与えます。パーキンソン病の関節可動域制限は複雑で一様でなく、病態が多岐にわたるため、改善や予防が重要です。
どのような症状がROMに影響を与え、制限が生じるのか、その要因について説明しています。(p288〜p299)