【目的】本研究は本学科学生が卒業時までに経験した看護技術項目の到達レベルに達した人数の割合を把握し、今後の課題を検討することを目的とした。【方法】対象者は本研究の参加に同意し本学科で作成した技術経験録を提出した41名(回収率52.6%)で、分析は技術経験録の項目毎に各到達レベルの人数を集計し、目標として定めている卒業時の到達レベルに達した人数の割合を示すこととした。【結果】83項目中、到達レベルに達した人数の割合が8割以上であった項目は11項目(13.2%)で、バイタルサインの測定(87.8%)、コミュニケーションの促進(87.8%)、感染予防の技術(85.4%)等であった。反対に、1割以下であった項目は16項目(19.2%)で、コロストミー・ウロストミーの観察と管理(0.0%)、摘便(2.4%)、胸骨圧迫法(2.4%)等であった。【結論】看護技術項目の到達レベルの設定や評価方法を再考すること、学生が自ら看護技術項目の到達レベルを上げるための行動がとれるように指導すること、学生が経験した看護技術について学生と教員・実習施設指導者が共有する必要があることが示唆された。(著者抄録)