博士学位論文を題目変更と加筆修正を施しつつ単著書籍化。これまでの自らのEU研究のまとめとして、主に2000年代に入って以降の今日に至るまでのEUでの政策・政治過程を、マクロ・メゾ・ミクロの3つの政策の水準で詳細な実証分析でまとめた。異なる利害を有する多様なアクターが角逐を繰り広げながら基本的には非合理性が支配するEU政治・政策過程において、それでも合理的な政策成立を目指そうとする欧州委員会が、いかに限定された状況下での合理性(限定合理性)を追求しようとしているかを描き出して見せている。