学術論文「EUにおける政治的妥協の変容と持続性―リスボン戦略の再検討と次期戦略の動向を通じて―」の元となった研究成果を発表した。ヨーロッパの主要各国政権変動によってEUの中長期的な総合計画のあり方に変容が及ぶ様を実証した。2000年代前半はフランスのジョスパン政権の左派的イデオロギーの一定の影響をみたが、2000年代後半は新自由主義的イデオロギーがEUレベルで制度的に構築されたものの、ヨーロッパ各国の福祉制度の差違認識を踏まえた政治的妥協のメカニズムが作用したことを指摘した。