(主催者による趣旨説明)カトリック社会教説に由来する「補完性原理」は、個人、小集団、大集団の間の関係性を規定する社会倫理的な原理である。自己責任論を支持する趨勢が衰えを見せないなかでレジリエントな社会の実現が唱導される昨今の状況にあって、いかなるレジリエンスのあり方が倫理的に正当と言えるのかを検討することは喫緊の課題と言えるだろう。本研究会では、レジリエンス概念の倫理的妥当性を支える原理として、補完性原理が有望であるとの仮説に基づき、様々な領域において補完性原理がどの程度適用可能かの検証を試みる。
今回は、EUについて研究している政治学者の原田氏をお招きして、行政における補完性原理の適用可能性について話題提供をしていただく。