多様な論者により提出されてきたEUの正統性問題の構成のされ方と問題解決のための処方箋を大きく4類型に整理し、これらの間には、「効率性」と「民主主義」の間でのジレンマに、さらに民主主義の実現方法同士のジレンマが組み合わさったトリレンマ状況があると指摘し、これを超克する理論的アプローチの構築を試みるにあたっては、インクリメンタリズムの分析概念やメタポリシーという概念が特に有効であることを訴えた。