本稿では、信用組合の歴史的形成・再編過程を踏まえた上で、特に小規模の地域型信用組合による地域経済・社会との相互作用に注目している。とりわけ、新潟県の糸魚川信用組合の事例を取り上げて、現代的意味での相互扶助の実態や、地方自治体との連携による金融機能の発揮、さらには、同組合の内部組織である「まちづくり推進室」の地域コミュニティ活性化に向けた様々な取り組みがもつ含意について地域経済論の視点から考察している。