本稿は、筆者の修士論文を加筆・修正したもので、主に制度派経済学の視点から韓国の仁川市と釜山市の経済的蓄積体制について比較分析している。その際に、いわゆる「5つの制度諸形態」である地域の賃労働関係、金融制度、企業間競争関係、地方自治体の財政運用基調、輸・移出入の程度に、環境、社会的経済(協同組合・社会的企業)、文化という3つの新たな制度形態を加える形で、これらに相互作用の実態を明らかにしている。