本稿は、2015年6月に翻訳出版された『資本主義的グローバリゼーション影響・抵抗・オルタナティブ』を書評したものである。本書は、単純にグローバリゼーションの実態を分析したものではなく、より運動論的・実践的な活動に対する議論の土台を提供している。特に、経済的グローバリゼーションと生産の国際化という全地域的現象を把握するに有効であり、資本主義とグローバリゼーション、そのイデオロギーとしての新自由主義をより実用的に論じるのに、ある程度その成果をあげている。