本発表では、地域経済を支える地域金融システムの役割を実証的に明らかにするために、現代日本の地域金融機関の資金運用とそれによる地域内資金循環について述べている。とりわけ、地方銀行の資金運用の変化の全体的な姿を、いわゆる「地元預貸率」の概念を用いて分析した上で、さらに有価証券投資とも関連づけて、株式、社債にとどまらず、国債、地方債への投資という国・地方自治体の財政との相互作用について説明している。