特別支援学校で働く看護師の支援を検討するための基礎資料として特別支援学校で働く看護師の現状を明らかにするために【全国の特別支援学校957校の看護師を対象に質問紙調査を実施した.項目は対象者の基本属性,看護師技術,他職者や保護者との関係,他職者や保護者との情報共有,学内外の研修等についてである.調査期間は,2021年6月末~8月末日であった.分析方法は,全項目において単純集計を行った.その結果,対象者の年代は40代以上が88%,臨床経験年数は10年以上が86.3%であった.雇用形態は非正規職員が88.8%であった.入職時に経験したことがなかった技術で多かったのは,排痰補助装置の使用,人工呼吸器の管理であった.現在,自信のない技術も同様の結果であった.他職種者や保護者との関係で,「まあまあ良い」・「良い」の合計が50%以下は,学校医・医療的ケア指導医と主治医であった.他職者や保護者との情報共有で,「やや共有できている」・「共有できている」の合計が50%以下は,学校長,教頭,学校医・医療的ケア指導医と主治医であった.学内外の研修には満足しているでは,「まったくあてはまらない」・「あてはまらない」が32.5%であった.看護師が医療的ケアについて,学校医・医療的ケア指導医と情報共有できるような職場環境の調整が必要である.