本研究の目的は、特別支援学校で医療的ケア児を受け持つ看護師の現状と課題を明らかにすることである。研究対象者は全国の特別支援学校の看護師とし、質問紙を郵送で回収した。内容は基本属性、特別支援学校の概要、看護師の業務、他職者や保護者との関係性や情報共有、職場環境である。調査期間は2021年6~8月とし、結果を単純集計した。回答数は215施設、回答者は511人であった。回答者の86.3%は臨床経験年数10年以上で非正規職員(88.8%)であった。入職時に経験したことがなかった技術と現在、自信のない技術で多かったのは、排痰補助装置の使用、人工呼吸器の管理であった。さらに、回答者の32.5%が学内外の研修に不満をもっていた。また、学校長、教頭、学校医、医療的ケア指導医、主治医と情報共有していると回答した人は半数に満たなかった。看護師が担う医療的ケアの高度化・多様化への対応や情報共有できる仕組み作りが課題であると考える。